その昔ある東京葛飾の下町に勉強が嫌いで朝から晩まで遊んでいる子がいました
物心がついたころから何をやっても3日坊主で
英会話や習字、自分でやりたいと無理に始めた少年野球
それでも型にはまって毎週決まった時間に練習が出来ず
さぼりがちな子です
1年も持ちません
時が経ち 中学性になると今度はバスケット部に
しかし、半年が過ぎるころには卓球部そして3カ月経つと『語り部』という名の帰宅部に
何をやっても続かない少年やはり学問も苦手でしたが
せめて高校ぐらいはと無事合格
そこで今度はラグビー部
サボりにサボって1カ月で逃げる始末
さっさと退部してアルバイトに生きがいを見つけました
その上
布団が大好きで毎朝遅刻の嵐
そしてバイトの嵐
こんな少年もいよいよ卒業です
担任に『おまえはどうするんだ
親にも『どうするの
『まぁ、すぐには働きたくないからワンクッションで調理師学校にでも行こうかなぁ
なんて なめたこと言っていました
もちろんわたくしが親なら勘当です
そんなこんなで19歳までなーにやっても長続きしないこの青年は
なぜかワンクッションのつもりから料理の世界に飛び込んだのです
そこで何故か目覚めてしまったのです
まずは下町の洋食屋さんからです
そしてやはり
先輩や親方にはどやされる毎日
来る日も来る日も山のような鍋
1日中 鍋磨きで終わってしまう毎日です
夏の調理場は灼熱でバターが分離するほどです
しかしそれでもなぜか日々楽しく充実していました
でもそこで1年が過ぎようとした時、また悪い病気がぶり返すのです
ある日、『あ~イタリアンもいいな
『やっぱりフレンチが王道ですよね』
小さな町場~ホテルや銀行のレストランなど渡り始めます
でも今までと違うのは 『料理の世界』 と言う背骨は変えていませんでした
みんな1年目からスタートしてだんだん仕事が上達してゆく喜びがありますよね
わたくしも5年目ぐらい経験したころ俺はイケる
同年代でいくらでも上がいる事を知った時のみじめさ
毎日忙しく、仕事に追われてその場から逃げたくもなりました
何を作ってもうまくいかず自信がなくなる事もありました
今日より明日と思い踏んばったり、これが終われば明日は休日
楽しい事を考えて乗り越えたり 色々つらい日々も送ってきました
それでも続けて数年たったある時
自分の視野が広がり周りが見えてくると次第に仕事が楽しくなっていることに気が付いたのです
料理人もそうですが職人仕事の下積みはホントに長い事に気付きます
ちょっとかじっただけでは味わえない喜びかもしれません
『料理は一生勉強だ』 と諸先輩方から教わったことが
18年たった今、やっと少~し理解できるにに至ります
わたくしの親方はすでに他界しておりますが50年以上料理人でした
エスポレストランを開業するに当たり自分のイメージした味や形に
料理が出来、お客様に喜んで頂けるようになるまででさえこんなに時間がかかるものです
後輩たちにこんな話をしても昔のわたくしがそうだったようにあまり響きません
彼らがまた10年経ち 『何時かわかるよ』 な~んて
わたくしと同じような話を後輩にしてくれてたら
それでいいなぁと思います
毎晩
勉強していないと取り残されてしまいます
まだまだこの先には無限の喜びがあると信じておりますから・・・・
なんて
まぁ、いつもと違う少し真面目な事を書いたのにはわけがありまして
実は私10月から船橋にオープンの姉妹店なんですがイタリアンリストランテに行くことになります
本格的なお店ですので今から楽しみなのです
ですのでこれがラストブログです
今まで勝手なこと書いていましたが
他のメンバーにバトンタッチします